米国版ウォールストリートジャーナルが、2030年にAIがどのような変化を社会にも
○2030 年は、AI の短期的影響と長期的影響のちょうど中間に位置する年になるでしょう。AI の長期的な影響が現在の私たちの想像を超える未来に備える必要があります。
<ペンシルバニア大学ウォートン校経営学部教授イーサン・モリック>
○大量のデータとディープラーニング(深層学習)技術によって構築された大規模言語モデル=LLM は自らの幻覚的な煙で窒息し始めています。2020 年から 2022 年 8 月にかけて、LLM の力は急速に進歩しましたが、すでにその勢いは鈍化しています。真の革新が必要であり、それには時間がかかります。
<ゲイリー・マーカス「シリコンバレーを征服する」の著者>
○2030 年の時点で、履歴データや構造化されたルールが不足している状況に対処する上で、人間は依然として優位性を維持しています。人間の即興能力は機械を上回っています。
<スタンフォード大学デジタルエコノミー研究所所長エリック・ブリニョルフソン>
○2030 年までに、多くの組織 が AI を組織構造に組み込むようになるでしょう。すべての従業員が AI に定期的かつシームレスにアクセスし、アイデアを交換したり、タスクを管理および自動化したり、会社のサービスや製品に関するフィードバックを得たりします。
<マッキンゼーAI部門グローバルリーダー、アレックス・シングラ氏>
○2030 年までに、私たち一人ひとりがパーソナル ラージ アクション モデル =(PLAM) を持つようになります。これは、私たち独自の意思決定プロセスを複製およびエミュレートするように設計された高度な AI エージェントです。
<フューチャー・トゥデイ研究所最高経営責任者、エイミー・ウェッブ>
★これはアップルインテリジェンス(Apple Intelligence)に近い考え方で、アップルは「パーソナルなインテリジェンス」と定義しています。
巨大なデータセンターで実行するサーバベースの生成AIとは違い、基本的にiPhoneやMacで採用されているApple Siliconで処理を行う。厳密にいえば、機械学習の処理を担う「Neural Engine」上で動作する、パーソナルに特化したオンデバイス(サーバを介さないデバイス単体で動作する)AIだそうです。
○子ども向けに販売される「共感」ボット。2030年までに、恋愛やセラピー、高齢者介護だけでなく、子供や十代の若者に愛情と「共感」を与えるためにも、AIの感情的な仲間を使うことが当たり前になるでしょう。
<カリフォルニア大学バークレー校学長・生命倫理学教授、ジョディ・ハルパーン>
○今後 5 年間で AI 生成メディアはよりリアルになり、より普及する可能性が高いということです。その危険性について広く教育が行われなければ、民主主義が依存する共有現実と情報に通じた国民は、存亡の危機に瀕する恐れがあります。
<ブルッキングス研究所の外交政策、人工知能、新興技術イニシアチブ研究員、ヴァレリー・ヴィルトシャフター>
最後に、総務省が予測する2030年のAI将来像が、イラスト中心にが発表されていますのでご紹介します。
【2030年の来たる未来の姿の検討資料】PDF11ページ
【2030年代に実現したい未来の姿と 実現に向けた工程イメージ】PDF21ページ